あらすじ


古代日本に似た極東の島国、万和(ばんな)。

十六歳の若き王が立ったばかりのこの国で、新たな時代をつくるためのお妃選びがはじまった。

朱(あき)は行き遅れの二十四歳。竪穴住居暮らし、男勝りなド田舎庶民。

才色兼備な十五歳の妹、華弥(はなび)の付き添いとしてお妃候補選定試験を受けたところ、なぜか妹とともに合格してしまった。

なりゆきで後宮入りした朱は、なんの目的も目標もなく、お妃候補としてそれなりに忙しい毎日を過ごしていたが、多くの候補たちや後宮で働く者たちとの出会いと交流によって、自身の行く先を少しずつ見出していく。

だが過去と向きあうことを余儀なくされたとき、その心は大きく揺れた。

やがてたどりつく重大な岐路を前に、彼女が手にした選択とは――

迷って泣いて後悔して、それでも笑える人生を描く、コミカル&ビターテイスト・古代日本風後宮ファンタジー。